専門家が解説!メールの到達性改善のポイント

専門家が解説!メールの到達性改善のポイント

この記事は Ask the Expert: Senior Deliverability Project Manager Alex Price の抄訳です。

メールの到達性を改善させるにはどうすればよいか?メールを送信する際に気を付けるべきことは?これらを正しく理解している人は、実は多くありません。メール配信にまつわる誤解を解き、効果的なメールマーケティングを実現するには、専門家から学ぶことが最適です。

今回は、Twilio SendGridで到達性向上に関するプロジェクトマネージャを務めるAlex Price氏にお話を伺いました。Alex氏は、約13年間メール業界に携わり、サポートやコンプライアンス、不正対策の業務に取り組んできました。現在は、大企業から中小企業まで、送信者のメールパフォーマンスを最大化するための支援を行っています。

それでは本題に移りましょう。

Q&A: 専門家に聞いてみよう

Q: Twilio SendGridにおけるあなたの役割は何ですか?

A: 私のチーム内での役割は2つあります。
1つ目はメール配信コンサルタントとしてお客様のメールパフォーマンスを最大化させること、2つ目はSendGridの機能やサービスをレビューし、お客様に幅広いソリューションを提供することです。

Q: メールの到達性向上のどういう点に魅力を感じますか?

A: 「メールの到達性向上」はとてもシンプルなゴールですが、そこに到達するまでのプロセスは信じられないほど複雑です。メールを構成する要素は数多くあり、それらが相互にどのような影響を与えあうかは非常に多岐にわたります。しかし、適切なステップを踏むことができれば、誰でもゴールに到達できるところが魅力です。

Q: 配信に関するよくある誤解について教えてください

A: 「メールを宛先に届ける責任はISPが負っている」と思っているマーケティング担当者が多くいますが、それは誤解です。ISPはあくまで受信者のニーズや要望を満たすことを第一に考えているため、送信者のために必要以上の手助けをすることはありません。
だからといって送信者が全くサポートを受けられないわけではなく、顧客体験を向上させるような良いメールを送信していれば、ISPに何らかの対策を行ってもらえる可能性があります。

Q: メールの到達性に問題がある場合、送信者が注意すべき警告サインにはどのようなものがありますか?

A: 開封率のような指標には注意しましょう。Appleのプライバシー保護機能(MPP)の影響でデータが正確でない恐れはありますが、開封率が低下していれば、メール配信に何らかの問題が起きている可能性があります。同様に、到達率、ブロック率、迷惑メール報告率も注視すべき重要な指標です。
さらに、コンバージョン率やキャンペーンごとの収益、ウェブサイトやアプリのトラフィックなどの指標も、メールの到達性に関する潜在的な問題を特定するのに役立ちます。

Q: MPPが導入された今、送信者はどのように顧客をセグメントし最適化すればよいでしょうか?

  • サンセットポリシーを導入する
    MPPの影響を受ける現在でも、サンセットポリシーを設定するのは有効です。リスト内のスパムトラップを減らせるだけでなく、エンゲージメントが発生していない宛先が多数存在することに気付くきっかけとなるでしょう。
  • トリガーキャンペーンを行う
    トリガーキャンペーンとは、顧客の特定の行動や条件に応じて自動的にキャンペーンメールを送信することで、配信するコンテンツを適切かつタイムリーなものに保つのに優れています。カゴ落ちやウェブサイトの検索履歴、購入履歴、アプリの利用履歴など、顧客の最近の行動を元にキャンペーンを行うと効果的です。

Q: メールの送信頻度はどうやって決めればよいでしょうか?

A: 様々な方法がありますが、基本的な考え方として、メールの送信頻度は個々のエンゲージメントの高さに関連付けるべきです。エンゲージメントの高い受信者には頻繁にメールを送信し、エンゲージメントの低い受信者にはサンセットポリシーを適用する、または配信リストから削除することを検討しましょう。
しかし、エンゲージメントは必ずしも下がる一方ではありません。一度エンゲージメントを失っても、再びエンゲージし始める受信者が一定数いることに注意してください。
顧客のライフサイクルを通してエンゲージメントがどのように変化するかを理解し、それに合わせてターゲティング戦略を立てることが重要です。

Q: パーソナライゼーションについて、送信者にアドバイスはありますか?

A: メールを最後まで読んで「なぜこれが自分に送られてきたのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。
受信者一人ひとりの好みに合わせてメールの内容を調整しないと、長期的にこのような体験をさせてしまい、結果的にビジネス全体に悪影響を及ぼしてしまう危険性があります。
パーソナライズされたコンテンツを送ることには、受信者が有益で興味深いと感じる情報を提供すること以上の意味があります。顧客との信頼関係を築くことが本質的な目的です。
メールを通じたコミュニケーションに受信者が価値を見いだせば、今後のメールを開封する可能性が高くなるだけでなく、製品の購入やロイヤルティプログラムへの登録、イベントへの申し込みなど、マーケティング担当者が求めるアクションにも前向きに反応する可能性が高くなります。

Q: マーケティング担当者や企業は、宛先リストの質より量を重視しがちです。リストを成長させる正しい方法を教えてください

A: メールの宛先リストにおいては、量より質を優先させましょう。
無理なく自然に宛先を収集し、ダブルオプトインを実施し、受信者自身に希望の配信頻度やコンテンツを設定してもらうのは大変に思えるかもしれませんが、長期的にみれば、これらのプロセスを経て獲得した宛先の方がはるかに価値のある存在です。
購入したリストなど第三者を通じて取得した宛先や、曖昧で薄いビジネス関係を通じて収集した宛先よりも、はるかに大きなリターン(メールのエンゲージメントや商品の購入など)が得られるでしょう。

Q: 企業がメール配信コンサルタントに協力を依頼すべき理由とは何ですか?

A: 一緒に仕事をするマーケティングマネージャーなどが重視しているのは、カスタマージャーニーの構築やコンテンツの作成、リストの拡大に関連するものが多数です。
そして、これらを達成しメールプログラムを成功させるためには、一般的なメール業務やマーケティング業務よりもさらに深い知識が求められます。

上記のような知識を身につけていないと、メール配信に難しさを感じるかもしれません。
だからこそ、配信コンサルタントに価値があるのです。メールと到達性の専門家として、最大限のリターンを得られるようあらゆるステップでお客様を支援しています。

おわりに

今回はAlex氏にメールの到達性について話していただきました。送信頻度や宛先リストの管理など、到達性を向上させるために気を付けるべきポイントは数多くあります。本記事が皆さんの助けになれば幸いです。

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