メールの再送で開封率が上がる?そのデメリットと対策
- 2015年8月21日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は Resending Email: Good Idea or Terrible Idea? の抄訳です。
メール再送についての調査結果
「A Simple Way To Increase Your Email Reach By 54.7% Today」の調査結果によると、メールを開封しなかった人にほぼ同じメールを再送することによって、開封者率が53.2%以上増加し、累計で32.6%となったそうです。
興味深い数値ですが、先走らないでください。全てのマーケターが同じ戦略を取ったらどうなってしまうでしょうか?
すでに世界中のメール受信トレイはぱんぱんに膨れあがっていて、スパムトラップもどんどん効率的になっています。メールの再送については本記事を参考に、マーケティングチームでよく考慮した方がいいでしょう。
メール再送を続けることのデメリット
たとえ再送時の購読解除率を低く維持できたとしても、購読解除者の総数は増やしていることになります。そして怪しいマーケティング手法と同様に、初めの数回はうまくいくかもしれませんが、それを続けられるわけではありません。
ほぼ同じメールを再送することには、受信者にメール疲れを引き起こしたり、スパム扱いされたり、ブラックリスト入りするリスクが伴います。開封しなかった人にのみ再送しているのだとしても、受信者は初めのメールを意図的に捨てたのかもしれないのです。
メール再送によるエンゲージメント低下
紹介した記事では、メールのタイトル、配置、ボタンの色などを少しだけ変更して再送することを勧めています。しかし、もし受信者が1通目でメールを捨てていた場合、二度読まされて怒るかもしれません。ふたたび捨てられるどころか購読解除されてしまう可能性もあります。
紹介した記事で最も興味深い結果は、再送メールの開封率とクリック率についてです。
The follow up email never performs as strong as the first. Analyzing a few sample email campaigns, we’ve seen a 44% drop in open rate, and 46% drop in click-through rate on the second email. This is likely because the follow up group represents more of your inactive readers.
再送メールは、1通目と同じようにはいきません。いくつかのメールキャンペーンをサンプリングしたところ、再送時の開封率は44%低下、クリック率は46%低下していました。つまり1通目を開封しなかったため再送対象となった人々は、アクティブでない可能性が高いということです。
開封率とクリック率の大幅な低下は、到達率に長らく悪影響を与える可能性があります。エンゲージしないメールを送りつづけているとISPやESP(メールサービス事業者)が判断した場合、レピュテーションは下がってしまうかもしれません。そのようなリスクを冒すことは賢明な判断でしょうか?
メール再送に代わる方法
送信頻度を増やすことで受信者の目に留めさせようとするよりも、メールの送信時刻を改善することで到達率を上げることをお勧めします。
再送メールはリマインダとして機能するという主張はあるかもしれませんが、ならば初めから受信者に読まれるであろう時間に送ればいいのです。そうすれば、再送してメールが重複していると判定されるリスクもなくなります。
顧客に毎日メールを送っている会社もありますが、それは24時間以内にメールを開封やクリックした相手にのみ送っているのです。受信トレイを溢れさせないように気を使うことが重要です。
まったくエンゲージしない受信者には、しばらく休息期間をもうけたのちに、有益なメールでフォローすることが良い戦略となるでしょう。
再送によってエンゲージメントの数を増やそうとするよりも、次のような手法を取った方が、よっぽど倫理的かつ効果的で、さらには低リスクです。
- 読まれやすい時間を分析する。
- メールのカテゴリや頻度をオプトイン時に確認する。
- メールのカテゴリや頻度を受信者が変更できる設定画面を用意する。
そして、いつも通りメールの送信時刻やタイトルなどの諸々について試行錯誤しながら、メール配信を効率よくしていきましょう。