メールサービスプロバイダ(ESP)を変える時に考慮すべきこと

メールサービスプロバイダ(ESP)を変える時に考慮すべきこと

この記事は Considerations When Switching ESPs の抄訳です。

最近のSendGridユーザ増加に伴い、ありがたいことに、多くの企業と密に仕事をさせていただく機会が増えてきました。

SendGridのようなメールサービスプロバイダ(ESP)を選定中の方であれば、メールが確実に届くことを常に期待されていると思います。具体的には、日次・週次・月次で送信されたメールが正常に配信され、期待通りの宛先に届いて欲しいはずです。

これを実現するためにはメールのベストプラクティスに従う必要がありますが、ESPを変更する場合はその他にも考慮すべきことがあります。

送信者としてのレピュテーション

レピュテーションは、以下の要素によって決まってきます。

  • 開封率
    受信者がメールを開き、その中の画像が読み込まれたときにカウントされます。
  • クリック率
    受信者がメールの中のリンクをクリックしたときにカウントされます。
  • バウンス/ブロック率
    送信しようとしたメールに対し、届かなかったメールの割合です。
  • 苦情率
    メールを受け取った人に対し、迷惑メール報告をした人の割合です。
  • 配信停止率
    受け取られたメールに対し、配信停止された割合です。

どのESPを選択したかに関わらず、上述の指標(GmailやYahoo!でしか用いられていないような指標についても同様です)は各送信者のレピュテーションと到達率に影響します。

何を変えるか

メールシステムを調整する際は、一度に多くの変更をしないようにしましょう。例えば、IPアドレスを変更する際は、同時に送信ドメインまで変更してはいけません。ESPを変更するのであれば、新旧の違いが比較できるように、変えられないもの以外はすべて維持するのが良いでしょう。

他にも、例えば宛先リストのサイズや収集方法などが変わったことによって影響が出る場合もあります。ESPを変更した場合、前のドメインやIPアドレスで評価されていたときよりも厳しく再評価されるため、これまでとの少しの違いが複雑なメールフィルタの引き金を引いてしまう可能性があります。例えば転職したての時など、新しい職場で良い印象を持ってもらうため、振る舞いに気をつけないといけませんよね?それと同じことです。

また、Gmail、Yahoo!、Microsoftでは、いくつかの配信指標や受信者からのメールへの反応の有無を見ているはずですが、彼らはレピュテーションの判断基準を頻繁に更新します。評価が変わることでいくつかの指標が一時的に減少する可能性がありますが、最新のベストプラクティスに従っている限り、数週間で元の水準に戻ります。もちろん、これはあくまでも大まかな考え方なので、変更先のESPの担当者に確認してみてくださいね。

ESPの変更で全てが変わる訳ではない

旧メールシステムの要素(リンクドメイン、送信元ドメイン、画像の配置ドメイン等)を保持する場合、上述の指標は変更先のESPでも有効です。比較のためになるべく多くの要素を維持するのが良いと言いましたが、ESPを変えてもレピュテーションの履歴は残るということも覚えておいてください。

良いメールシステムがうまく回るのは、望まれるメールを送り、価値を提供しているからです。適切な頻度で送信されたメールに対し、受信者が好意的な反応を示し、その結果、ISPはメールを受信ボックスに振り分けます。こうやって、ニワトリとタマゴのゲームが続いていきます。

メールの送信者は常に、「送信したメールを通して受信者に価値を提供する」というシンプルな(実践するのは難しい)考えを記憶にとどめておくべきです。到達率を高めるためのポイントなど、より詳しく知りたい場合はSendGrid’s 2016 Email Deliverability Guideをダウンロードしてみてください。

参考

IPレピュテーション vs. ドメインレピュテーション【入門】
ドメインレピュテーションとその重要性
迷惑メール判定されないための善き送信プラクティス

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