メールに関するよくある誤解 その1
SendGridの日本でのサービス提供を開始してからもう少しで4年。これまでサポートには本当に沢山のお問合せをいただきました。複数の方から同じような質問を受けることがあるのですが、その中には、
- 誤った認識であるにも関わらず、なぜかそれが正しいと信じられていること
- 以前はそれが正しかったが、今は異なること
が多く含まれていました。
これから2記事にわたってそういったよくある誤解を紹介したいと思います。
HTMLメールは悪である、送ってはならない
「HTMLメールはウイルスの温床である」
「HTMLメールは危険だから開封してはならない」
今から10年以上前であればそれは正しかったかもしれません。しかし技術の進歩により悪意のあるメールを防ぐための仕組みが整い、HTMLメール自体が危険であるというのは誤りであるといってよい状況になってきています。
自分がメルマガの受け手だったとして、文字がぎっしり詰められたメールと、美しくデザインされ、魅力的に見えるメールのどちらを受け取りたいでしょうか?
メールは、ROIが最も高いマーケティングツールだと言われていますが、有効に機能するためには開封やクリックのトラッキングが必要になりますし、HTMLメールであることが必要不可欠なのです。
設定さえきちんとすれば受信トレイ(Inbox)に届けることができる
本ブログでも度々ご紹介してきましたが、メールを正しく届けるためには、
- レピュテーションやエンゲージメントを高くキープすること
- 受信者が読みたいと思う、読まれるメールを送り続ける善良な送信者であること
が必要になります。
Domain Authenticationのような設定は当然必要ではありますが、それだけで届くというわけではありません。昔よく言われていた「タイトルにこのキーワードを入れると届きやすくなる、このキーワードは使ってはダメ」といったことも現在ではあまり意味のない対策となっています。
参考:
善良な送信者になるために気をつけるべきこと
レピュテーションやエンゲージメントに影響を与える要因について
Gmailのメインタブに届ける方法がある
「Gmailのプロモーションタブに入るがメインタブに届けたい」こちらも非常によくいただく質問です。これも小手先のテクニックでは改善することはできず、プロモーションタブではなく、メインタブに届いて欲しいと受信者が感じるようなメールを送ることが必要になります。
届かない=ブラックリストに掲載されている
「どうしてもこのアドレスに届かないんですけど、ブラックリストに掲載されていますか?」こちらもよくいただく質問です。
基本的にブラックリストは、送信元のIPアドレスやドメインによって受信を拒否するよう動作し、もしSpamhausのような多数のISPで採用されているブラックリストに掲載されてしまうとほとんど全てのメールが届かなくなります。特定の数アドレスのみに届かない、という状況だとブラックリストが原因である可能性は低いので、メールアドレスが間違っている、送信ドメイン認証に失敗している、といったケースを疑ったほうが良いでしょう。
ちなみに、ブラックリストに掲載されるケースのほとんどはスパムトラップへの送信が原因のようです。ブラックリストへの掲載を避けるため、リストのクリーニングは継続的に実施しましょう。
バウンスした場合3~5回までは再送OK
「バウンス(ハードバウンス)した際の再送可能回数を変更したい」というリクエストをいただきます。しかし、こちらにあるように、バウンスするということは、再送しても届かないということを意味しているため再送をすること自体が推奨されない行為なのです。
国内のメール配信サービスでは再送回数を指定できることが多いようですが、これはおそらく携帯キャリアへの送信に対応していくうちにできた仕組みではないかと考えられます。
いかがでしたか。次回も意外に誤解されているさまざまなトピックを紹介したいと思います。お楽しみに。