メールの差出人に関してGmailとMicrosoftが注目するポイント(少なくとも現時点では)
この記事は What Gmail and Microsoft Like to See From Email Senders (at Least for Right Now) の抄訳です。
マーケターのみなさんは、自分たちのブランドにとってどれだけメールが重要であるかを理解していることと思います。SendGridのDelivery Teamでは、そんなみなさんに対してメールマーケティングに役立つ情報を共有することをいつも心がけています。今回は、インボックスプロバイダのフィルタに関する2つの新しい発見について共有したいと思います。
このようなフィルタが、ユーザにとって必要なメールと不要なメールを見分けるのは不可能だと主張するマーケターの方もいらっしゃることでしょう。しかし、その効果に疑問を持っていたとしても、あなたのメールがどのように判断されているかを知ることはとても大切です。2つの新しい発見は、以下の通りです。
- Gmailは、メールがあまり開封されない差出人を好みません
Microsoftは、特定の配信停止の方法を好みます
「望まれる」メールの送信者をどうやって判別するか、インボックスプロバイダはその基準を探し続けています。
残念ながら、受信者の目をひきつける件名とコンテンツを作ることだけに注力すればよいという段階は終わり、メールの世界は少々複雑になってきているようです。
一方で、件名とコンテンツだけでメールがフィルタされるわけではないというプラスの側面もあります。フィルタが進化したことで、”!!!”といった記号や絵文字だけが原因でフィルタされることは減り、高いエンゲージメントを得ている差出人のメールであれば届くようになっているとも考えられます。
まずは、上記2つのポイントを押さえておくことをお勧めします。
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Gmailとメールの開封
以下の図は、ある差出人のメールを30日間開封しなかった場合のGmailの表示です。
画面のトップに“You haven’t opened any emails from this sender in the last month.(先月はこの差出人のメールを一度も開封しませんでした。配信停止しますか?)”というメッセージが表示されます。このメッセージは「30日以上開封しない受信者に対してメールを送り続ける差出人を、Gmailは好まない」とも解釈できます。
もちろん、開封だけではなくその他の要素(迷惑メール報告、バウンス、配信停止など)も判断に影響すると考えられます。なぜなら、私自身のGmailのアカウントを見てみると、30日以上メールを開封していない差出人であっても、必ずしも上記のメッセージが表示されるわけではないからです。しかし、1ヶ月間エンゲージしていない場合にGmailが上記のメッセージを表示する可能性があるという事実は注目に値します。
対策:再エンゲージメントキャンペーンを30日の期限が来る前に送りましょう。ベストプラクティスは、受信者のエンゲージメントを得るための施策を継続的に試すことです(メールのライフサイクルを考慮せずに、すべての受信者に同じ内容のメールを送ることは避けましょう)。新たに試したい施策がある場合は、この機会を有効に利用しましょう。
2. Microsoftが好む配信停止の方法
以前の記事でList-Unsubscribeヘッダについて紹介したことがありました。これは、一般的に利用される配信停止リンクを使わずに、受信者がオプトアウトするための仕組みです。
List-Unsubscribeヘッダには、配信停止用のwebサイトにアクセスするオプション(http://)と、特定のアドレスに配信停止のメッセージを送るオプション(mailto:)があります。
どちらのオプションを利用する場合も、受信者の配信停止の意思を尊重すべきで、重ねてメールを送ったりしてはいけません。しかし、Microsoftが差出人にとって親切な対応をしてくれるのは、「mailto:」オプションを使用するパターンのようです。
以下の図は、Fromアドレスの下にある”unsubscribe”リンクをクリックした際の表示です。

(受信するメールが多すぎますか?このリンクから配信停止することができます。)
「http://」オプションを使用した場合、またはList-unsubscribeヘッダを利用しない場合は、以下のように表示されます。

(この差出人をブロックします。○○○は配信停止のための情報を提供していないため、○○○@○○○からのすべてのメールをブロックします。○○○から受信したメールをすべて削除する場合はこのチェックをONにしてください。)
「mailto:」オプションを使用した場合は、以下のように表示されます。

(このニュースレターを配信停止しますか?あなたを宛先リストから除くよう、○○○@○○○に依頼します。配信停止までに受信したメールは迷惑メールに振り分けます。○○○@○○○から受信したメールをすべて削除する場合はこのチェックをONにしてください。)
基本的に、Microsoftは「『http://』オプションを使用していても、配信停止に関する情報を何も提供していないのと同等である」と見做しています。「http://」オプションのメッセージにより配信停止された場合、その差出人はMicrosoftによって即時ブロックされてしまうため、この事実を知っていることは大切です。
特に、マーケティングメールとトランザクションメールを同じFromアドレスから送信している場合、マーケティングメールがブロックされたことが原因で、トランザクションメールが届かなくなるかもしれません。
対策:List-Unsubscribeヘッダの「mailto:」オプションを利用しましょう。利用方法がわからない場合は、SendGridのSubscription Tracking(トランザクションメールの配信停止を管理する機能)を使うこともできます。また、マーケティングメールとトランザクションメールで同じFromアドレスを使用しないようにしましょう。こうすることで、「マーケティングメールを配信停止したユーザにパスワードリセットの通知メールが届かなくなる」といった問題を避けることができます。
配信停止の設定方法がよくわからない場合や、最新の情報を知りたい場合は、Delivery Teamが提供するサービスをチェックしてみてください。
Happy Sending!