カテゴリとユニーク引数、どちらを使うべきか? その利点と制限事項
- 2021年10月29日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス 機能・使い方
この記事は Categories vs. Unique Arguments: Benefits & Limitations の抄訳です。
Twilio SendGridアカウントを作成し、独自ドメイン利用設定、固定IPアドレスの追加をしてメール送信を開始することができましたか?そこまできたら次は、到達や開封といったイベントデータを利用して分析を行いたいと考えていることでしょう。
しかしながら、トラッキングしたい指標はあってもどの機能を使って分析したらよいかわからないという声が多く聞かれます。
この記事では、カテゴリやユニーク引数(カスタム引数と呼ばれることもあります)を使ったメールの分析方法を整理するとともに、それぞれの機能の利点と制限事項について詳しく説明します。
メールデータを準備する
カテゴリとユニーク引数を使ったトラッキングを開始する前に、データをどのように整理するか、また、どの指標を重視するかを決めましょう。そのためのヒントをいくつか紹介します。
宛先リストをセグメント化する
メールの種類によって分析指標も異なるため、最初のステップは分析対象となる宛先を決める(セグメントに分ける)ことです。
マーケティングメール、トランザクションメールのどちらを送っているのか。展示会のお知らせなのか、リード獲得のために開催するウェビナーの案内なのか。このようにセグメント化の基準は様々です。
メールの内容と分析の両面から考えて宛先のセグメントを決めることが重要です。例えば、ウェビナー案内であれば最近ウェルカムメールを送信したばかりの宛先をもとにしてセグメント化すると良いでしょう。
優先する指標を決定する
カテゴリやユニーク引数を使用してデータを細かく分析する前に、取得したい指標を決めましょう。開封率とクリック率のどちらを重視しますか?あるいは到達率を考慮しますか?
効果測定に使う指標が決まらない場合は、こちらを参考にしてください。よく検討される指標(コンバージョン、開封、クリック、ブロックなど)について理解するのに役立ちます。
カテゴリ vs ユニーク引数
取得する指標を決めることができたら、メールの分析方法について詳しく掘り下げてみましょう。
Twilio SendGridのStatsやEvent Webhookを利用すれば、カテゴリやユニーク引数を使って送信メールのパフォーマンスをトラッキングできます。ここでよく寄せられる質問は、「カテゴリとユニーク引数の違いは何ですか?」というものです。
これらは機能面では似ていますが、用途に応じて使い分けることをお勧めします。
表に示した3項目の答えに応じて、どちらが適しているか判断することができます。
カテゴリ | ユニーク引数 | |
---|---|---|
メールの送信方法 | マーケティングキャンペーン | メール送信API |
トラッキングする対象 | メールの種類ごと | 受信者ごと |
トラッキングに使用する機能 | ダッシュボード | Event Webhook |
カテゴリによるトラッキングが適しているケース
カテゴリはメールの種類ごとの分析に向いていますが、制限事項があります。
カテゴリが多すぎるとUIの速度が低下する可能性があるため、1アカウントあたりのカテゴリ数は100までとすることを推奨しています。一度作成すると削除できないため、カテゴリを追加する際は計画的に行ってください。
ユースケース
- あなたの会社では、数ヶ月後に大きなイベント(カンファレンス、展示会など)を予定しています。営業チームまたはマーケティングチームは、イベントに関連するメールを数千人に送信する準備ができており、この一連のメールのパフォーマンスをトラッキングしたいと考えています。
利点
- マーケティングメールとトランザクションメールなど、メールの種類が複数ある場合にカテゴリを使用します。こうすることで、メールの種類によってエンゲージメントにどのくらいの差があるかをトラッキングできます。
- Twilio SendGridにはCategory Stats機能があり、特定のカテゴリに関する統計を簡単に分析できます。
制限事項
- 現在、1アカウントあたりの推奨上限数は100です。また、2022年2月以降、Category Statsで確認可能なカテゴリ数に制限が設けられます。詳細はこちらをご覧ください。
- この制限は、カテゴリが多すぎるとUIの速度が低下するために設けられています。
ユニーク引数によるトラッキングが適しているケース
ユニーク引数は、受信者ごとのトラッキングやEvent Webhookでの分析に向いています。
主にメール送信APIを使用している場合は、無制限に指定できるユニーク引数の利用をお勧めします。
ユースケース
- Event Webhookを使用して、開封、クリック、および迷惑メール報告のデータを取得することを計画しています。メールに “testing” もしくは “production” というユニーク引数を渡し、 “production” のメールで発生したイベントのみをフィルタリングしようと考えています。
利点
- カテゴリと違い、ユニーク引数は無制限に指定できます。
- より詳細にデータをトラッキングする必要がある場合は、ユニーク引数が便利です。
- 受信者に紐付くキーと値のペアを自由に設定できます(例:「customerID: 4567」)。これにより、受信者ごとのトラッキングが可能になります。
制限事項
- 残念ながら、ダッシュボードでユニーク引数ごとの統計情報を参照することはできません。
- ユースケースで述べたように、Event Webhookを用いるのが最適な方法です。そのためには、Event Webhookでデータを取得し、蓄積するための環境をご自身で準備していただく必要があります。
まとめ:カテゴリとユニーク引数
カテゴリはメールの種類ごとのパフォーマンスを確認するのに適しています。一方、ユニーク引数は個々の受信者のエンゲージメントをトラッキングするのに最適です。
どちらを使うべきか、またはその両方を使うべきかというのは、ユースケースによって異なります。何をトラッキングすべきかわからない場合は、基本に戻って、宛先リストをセグメント化する方法や取得すべき指標を検討しましょう。
Twilio SendGridでは、メールの統計情報に関するドキュメントを用意しています。ぜひご活用ください。また、ご質問がある場合は、サポートチームにお問い合わせください。