開封率とクリック率に実際に影響するのは何か?
- 2020年4月14日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は What Actually Influences Email Opens and Clicks? の抄訳です。
メールを送信するのに最適な時間帯は?理想的な件名の長さは?開封してもらう魔法のキーワードは?メール送信者は、何年もの間これらの問題に悩まされてきました。
本文のどこにリンクを貼るか、送信者を誰にすべきか、ボタンは何色にするかなどコンテンツやフォーマットで悩み、何時間も費やしているかもしれません。しかし、それらを解決しても結果はそれまでのメールと余り変わらないかもしれません。
では、メールを開封しクリックしてもらうために本当に重要な要素は何でしょうか?受信者は実際何を気にしているのでしょうか?
私たちはそれを知るために、メールを受信する立場の人々に調査を行い「2019 Email Benchmark and Engagement Study」を作成しました。メッセージを開くか無視するかの判断に影響を与える要因を、ランク付けしてもらったのです。結果は、あなたが期待しているものとは異なっているかもしれません。
開封に影響を与える(もしくは与えない)要因
差出人
開封に最も大きな影響を与える要因は、差出人です。当社の調査によると、回答者の53%がメールを開封するかどうかの判断に強い影響があると答えました。
受信者があなたからの連絡を好ましく思っている場合は、メールを開いてくれるでしょう。
しかし、あなたからのメールを受け取りたくないと思っていたり、なぜ自分にメールが届いているか分からなかったりすると、興味を持つ可能性はとても低くなります。
とてもシンプルなことなのです。開封率に影響を与える一番の要因は、受信者があなたの企業やサービスに親しみを感じているかどうかです。
受信者との関係が良好であれば、おそらく開封率は高くなるでしょう。では、どうやっていい関係を築けばいいのでしょうか?
- 受信者が受け取りたいコンテンツを送る
- 明確な同意を得てオプトインしてもらう
- 同意を得た種類のメッセージのみを配信する
- 大量のメールを送りつけない
コンテンツ
コンテンツは差出人の次に開封率に影響を与える要素です。驚くことではありません。コンテンツはメールの心臓であり、魂です。
メールのコンテンツは、短くて分かりやすいものがベストです。
重要だからといって、たくさん詰め込めばいいというわけではありません。むしろ逆で、受信者の55%は本文は数行だけでいいと回答しています。
長いメッセージの中から価値ある情報を選び出すために時間をかけたくはありません。すぐに理解できるよう、絶対に必要以上にコンテンツを詰め込まないようにしましょう。
件名
件名は重要ですが、あなたが考えているほどではないかもしれません。
私たちの調査では、件名はメールを開封するかどうかに37%の人が強い影響があると答え、17%は影響があるか分からないと答えています。さらに10%の人はそれほど影響しない、もしくは全く影響しないと答えました。
多くの送信者は件名をA/Bテストの対象にし、開封率を上げるためにはどんなキーワードを使うべきか(使わないべきか)熟慮を重ねるため、この結果は意外かもしれません。
しかし、件名を微調整しても開封率の低さは改善しないかもしれず、すばらしい件名であっても他の悪い部分(コンテンツが貧弱、差出人が不明、送信頻度が高すぎるなど)を補う効果があるとは限らないことは覚えておいた方が良いでしょう。
特典や割引
特典や割引は、メールを開封するすばらしいインセンティブになると思いますよね?割引やクーポンコードが好きじゃない人はいないでしょう。
しかし、メールを開封する際に特典や割引が強く影響すると答えたのは、回答者の35%にすぎませんでした。36%は影響するかもしれないと答え、13%は影響しないと答えています。
割引や特典のついたメールを送る場合は、頻度に注意し、受信者が慣れ過ぎてしまわないようにしましょう。
また、割引や特典メールは記憶に残る可能性が高いため、受信者にとって価値ある内容である必要があります。
42%の受信者が、特典や割引は記憶に残る強い影響力があると答えました。ユーモアのあるキャッチーなコンテンツ、画像/動画、ブランドイメージ、パーソナライゼーションより強い影響力を持つとランク付けされたのです。
送信時間
開封率を上げるために最適な送信タイミングについて独自の調査を行ったところ、驚くべき結果になりました。受信者にとって、メールを送る時間帯はそれほど重要ではないようです。通勤中や夕方ネットを見ているときに興味のない企業や商品のメッセージは開いてはくれないですし、既に興味を持っているコンテンツはいつ送っても開封を妨げないことが分かりました。
送信タイミングを気にし過ぎてはいけませんが、送信時間を決めておくことが重要なケースもたくさんあります。例えば、The Hustleは定期的なメルマガを早朝配信しています。The Hustleをよく読み楽しみにしている人にとっては、ニュースレターのタイミングを午後に変更されると奇妙に感じるでしょう。
上記の結果を考慮して、あなたの会社や顧客にとって都合のいい時間帯にメールを送信するように設定しましょう。
コンバージョンに影響を与える(もしくは与えない)要因
開封されるのはすばらしいことですが、本当に重要なのはクリックされるかどうかです。
コンバージョンに最も影響があるのは、クリックです。
商品の閲覧であろうと、パスワードのリセット、新規アカウントの登録であろうと、一般的にクリックはメールマーケティングで最も重要です。例え開封率が高くても、クリック率が低ければそのメールは成功とは言えません。
では、どうすればクリック率を上げることができるのでしょうか?
👎差出人のブランド
ブランド力や知名度があるとメールを開封してもらえますが、クリックにはそれ程影響力がないことが調査の結果分かりました。コンバージョンを高めるには、信頼できるブランド以外の何かがなくてはいけないのです。
👎リンクの最適化
リンクの配置、色、コピーはクリックにある程度影響しますが、必ずしもこれらを変えれば劇的にパフォーマンスが向上するわけではありません。
リンクの配置がクリックするかの判断に多少影響すると回答した人もいますが、ほとんどの人は影響したかまったく分からないと回答しました。
リンクのコピーや色を変えるのに多くの時間を費やすよりも、明確で目に入りやすく、欲しい商品や情報になっているかを確認しましょう。
👍メールのコンテンツ
メールのコンテンツが受信者のクリックに強い影響がある、という広く受け入れられている考えも調査によって確認できました。
これは完全に理にかなった結果です。前後の文脈がないと、リンクやボタンをクリックしてくれません。
受信者は説得力のある画像や文によって、送信者の意図した行動を取ってくれます。確認メールでもプロモーションメールでも、なぜアクションが必要かを説明し、そのメッセージが本当に信頼できるブランドから来たものだと確認できるようなコンテンツが必要です。
ユーモアたっぷりのメールを作成し、インタラクティブにすると更にいいでしょう。なぜなら、キャッチーで楽しいコンテンツ、画像や動画は、他のメールよりも記憶に残りやすいからです。
👍重要な情報
受信者の36%にとっては、重要な情報かどうかがクリックの鍵になっています。パスワードのリセット、購入した際の領収書、発送のお知らせメールなどはクリックに強い影響があります。
なぜ受信者がこうした情報にすぐ反応するか?簡単に分かりますね。メッセージに欲しい情報や必要な情報が含まれていれば、受信者はそのメールを心待ちにしています。
メールの送信者にとっては、トランザクションメールの重要性が分かる結果です。これらのメールはエンゲージメントを高める推進力になるため、メルマガやナーチャリングの際と同じようにブランドに沿ったデザインや内容を意識しなければいけません。
さらに重要なのは、待ち望んでいる受信者に確実に届けられるよう、トランザクションメールが高い到達率かどうかを確認することです。
👍自分に関係がある商品
「あなたのためだけに」作成されたメールを受け取るのは心地いいことです。
興味があったり過去に購入した商品、最近利用した商品を紹介するメールは受信者の興味を惹く可能性が非常に高まります。逆にいうと、一般的なことが書かれたメールではまったく興味を持たれないかもしれません。
受信者の32%は、メールの中に関連商品が含まれている場合クリックに強い影響があると回答し、41%は多少影響があると回答しました。
メールのクリック数を増やす1対1のマーケティングアプローチに興味がある方は、「【2024年版】パーソナライズド・メールマーケティング完全ガイド」を参考にしてみてください。
まとめ:受信者が喜ぶメールを送りましょう
受信者は賢く、有益なメールかどうかを見極めます。受信ボックスを尊重していないような送信者からのメールは、すぐに配信停止されるでしょう。
結局のところ、メールプログラムで最も重要なのは、基本的なことを正しく行うということです。
- 受信者に関連する情報を送る
- 内容は要点を押さえたものにする
- 宛先リストを拒否権のない捕虜のように扱わない
- 送り過ぎないように、頻度に気を付ける
受信者がどんなメールをやり取りしているか知識レベルを試したい人は、こちらのクイズをやってみてください。また、もっと詳細なデータを知りたい方は、「2019 Email Benchmark and Engagement Study」をダウンロードしてください。