メールマーケティングに動画を活用する方法
- 2025年4月18日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス メールマーケティング
この記事は How to Start Using Video in Email Marketing の抄訳です。
最近、動画付きのメールをよく見かけるようになりました。
動画はイメージを分かりやすく伝えられることから、マーケティングでの活用が広がっています。実際、マーケティングに動画を使用している企業は89%を占めています。
動画はSNSで使われるイメージがありますが、適切に使用すればメールマーケティングにおいても強力なツールとなります。
今回は、マーケティングメールに動画を取り入れるメリットとその方法を解説します。
動画メールマーケティングとは?
マーケティングメールに動画コンテンツを含めるマーケティング手法のことです。
全てのメールに動画が適しているわけではありませんが(通知メールなどのトランザクションメールではテキストや画像の方が適しています)、複雑な操作手順を伝えたいシーンや、相手の感情に訴えかけたいシーンなどでは、エンゲージメントの向上に役立つ場合もあります。
動画の題材には例えば以下のようなものがあります。
- 使い方ガイド
商品やサービスを最大限に活用する方法を実演したり、よくある質問に答えたりします。 - 商品・サービスの宣伝
商品やサービスの特長やメリットを紹介します。 - 舞台裏
チームや企業文化、制作プロセスなど、ブランドの魅力が伝わる裏側を公開します。 - お客様の声
実際のユーザに、商品やサービスの体験談を語ってもらいます。
メールマーケティングで動画を使用するメリット
Wyzowlの調査では、回答者の78%が「商品やサービスについて知るには短い動画が好み」だと答えており、動画はテキストベースの記事やマニュアルよりも好まれていることがわかります。長い説明文は受信者から敬遠されてしまう可能性があるため、内容が数行で収まらない場合は動画の活用がおすすめです。
さらに、動画ではクリック率やコンバージョン率の向上が期待できることも分かっています。同調査では、以下のような結果が出ています。
- マーケターの82%が、動画はWebトラフィック増加に役立ったと回答している。
- マーケターの96%が、動画はブランド認知度の向上に役立ったと回答している。
- 消費者の87%が、動画を見て商品やサービスを購入する決心がついたと回答している。
このような数字を見ると、メールマーケティングに動画を導入してみる価値は十分にあると考えられます。
メールで動画を送る方法
メールでテキストや画像が使われることが多いのには理由があります。HTMLメールを作成したことのある人はご存じかもしれませんが、動画の埋め込みは難しく、受信トレイで意図したとおりに表示されるとは限りません。実際、GoogleやOutlookを含むほとんどの受信トレイは、埋め込み動画をサポートしていません。
では、メールで動画を送るにはどのようにすればよいのでしょうか?最も簡単なのは、Webサイトに動画をアップロードし、メールにはその動画リンクを貼った画像を掲載する方法です。
手順は以下の通りです。
1. 動画のURLを取得する
YouTubeやVimeo、FacebookなどのWebサイト、もしくは、オリジナルのアプリに動画を投稿します。その際、動画のリンクを知っている人なら誰でも視聴できる設定にしておきましょう。投稿ができたら、メール添付用の動画リンクをコピーしておきます。
2. メールに載せる画像を作成する
動画を見てもらうためには、受信者の興味を引く画像が必要です。動画の魅力的な瞬間を切り取った静止画や、GIFを作成しましょう。
静止画を作成する場合、いくつかの方法があります。一つはYouTubeなどの動画投稿サイトで、動画から自動生成されるサムネイル画像を使用する方法です。
もう一つは、動画を一時停止してスクリーンショットを撮る方法です。その際、画質が荒くならないよう注意が必要です。高画質な画像を使用したい場合は、Photoshopを使用するこちらの方法を試してみてください。
以下のように、画像編集アプリを使用して再生ボタンのアイコンを追加すると、画像クリックで動画に遷移できることが分かりやすくなります。
3. 画像とリンクをメールに挿入する
必要な材料がそろったので、いよいよ動画メールを作成しましょう。まず、メールエディタに2.で作成した静止画またはGIFを挿入します。次に、1.で取得したリンクを画像に追加しましょう。 Twilio SendGridのマーケティングキャンペーン機能におけるGIFの挿入方法はこちらをご覧ください。
画像をクリックすれば動画へ遷移できることに気付かれなかった場合に備えて、メール本文または画像の下にCTAボタンも設置しましょう。
メールマーケティングの一番の目的は、受信者にブランドへの関心を持ってもらうことです。動画を視聴した後に商品の購入やイベントへの登録ができるよう、必ず動画の中や説明欄などにCTAを設置してください。
動画メールの活用事例
メールに動画を添付する手順が分かったところで、次は効果的な動画の活用方法を実例を交えて見てみましょう。
パーソナライズされた顧客体験を提供する
動画を活用すれば、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションが可能になり、カスタマージャーニーのどのフェーズにいる相手にも適切にアプローチできます。
例えば、初めて商品を購入した顧客には、商品の使用方法やセットアップ方法を説明する動画を送信すると良いでしょう。このようなメールは自動化できるうえ、受信者にはパーソナライズされたメッセージのように感じてもらうことができます。
また、カスタマーIDや行動データを活用し、受信者の関心に合った動画を配信する方法もあります。例えば、ある受信者がベジタリアン向けのレシピ動画を複数視聴していた場合、おすすめのレシピや料理のコツなど関連するコンテンツを掲載したメールを送ることで、興味を引き、エンゲージメントを維持することができます。
会社の個性をアピールする
動画は企業の文化や個性を伝える手段としても優れているため、ウェルカムメール、リテンションキャンペーン、採用メールなどを送信する場合にも有効です。言葉だけで「楽しい会社だ」「多様性を尊重している」と伝えるよりも、動画で実際にそれを示す方が実感を持ってもらいやすくなります。
動画の内容は、会社紹介やVlog、チームの様子など様々な種類が考えられます。理想のブランドイメージと一致する動画を活用しましょう。
イベントの告知をする
素晴らしいイベントについて文章で説明することはもちろん可能ですが、動画を使用すれば、受信者をイベントの世界観に引き込むことができます。
特に、映像資料が豊富な毎年恒例のイベントなどには最適です。音楽、アクティビティ、パフォーマンス、コンテストなど魅力的なコンテンツを紹介し、会員登録数やチケット売上を伸ばしましょう。
一度作った動画コンテンツを再利用して、さらに効果を上げることもできます。例えば、SNSでプレビューを投稿したり、Instagramのストーリーでハイライトを共有したり、全ての動画へのリンクをメールに含めたりすることができます。
新商品の宣伝をする
新商品の発売や人気商品の復刻を発表するときにも、動画は効果的です。静止画像では商品の魅力を伝えるのに限界がありますが、動画であれば、商品を360°あらゆる角度から紹介したり、動く様子を見せたり、実際の活用シーンを示したりすることができます。
受信者に興味を持ってもらえたら、商品を買うために何をすべきか迷わないようCTAに誘導しましょう。先行販売用のコードなど、特典を追加で提供するのも効果的でしょう。また、購入者に早期レビューや商品写真の提供を依頼し、次の戦略に活用することもできます。
顧客の声を共有する
消費者には口コミを参考にする人も多いため、ユーザの声を共有することも効果的です。ある調査によると、消費者の92%が知り合いからの口コミを、70%がオンラインレビューを信頼していると回答しています。
顧客と協力して動画を作成する場合でも、ユーザ生成コンテンツを収集する場合でも、動画に口コミを活用するのは効果的です(以下のLiquid Deathのように、型破りで個性的な表現もできます)。実際に商品を使用した感想やメリットを語ってもらうことで、受信者にとって大きなセールスポイントとなります。
口コミを入手する別の方法としては、既に自社商品のレビュー動画を投稿しているインフルエンサーを見つけることです。許可を得たうえでその動画をメールで紹介すれば、受信者にとっては、実際の声を通じて製品の魅力を知るよい機会になります。
ニュースレターで魅力的なコンテンツを配信する
受信者はニュースレターに役立つ情報や興味深いコンテンツが詰まっていることを期待しています。動画を活用すれば、コンテンツにバラエティを持たせることができ、CTRの向上にもつながります。
MasterClassのような動画中心のビジネスであれば、ニュースレターは新しい動画を宣伝する絶好の機会と言えるでしょう。
メールで動画を送信するためのベストプラクティス
動画を活用すればエンゲージメントの向上が期待できますが、より効果を高めるには以下の細かい点にも気を配る必要があります。
- 動画はモバイル対応に
多くのユーザがモバイル端末でメールを開くため、動画はモバイル対応、かつ、様々な端末で問題なく再生できるようにしましょう。 - サムネイルで興味を引く
受信者の興味を引き、クリックしたくなるサムネイルを選びます。 - CTAは明確に
動画の視聴を促す明確なCTAを配置し、動画を見るメリットを伝えましょう。 - 信頼できる動画投稿プラットフォームを使う
YouTubeやVimeoなど信頼性の高いサービスを利用しましょう。 - 動画は短く
動画は短く、焦点を絞りましょう。短い動画の方がエンゲージメント率が高くなる傾向があります。長尺が必要である場合は、動画を分割することを検討してください。 - オープニングでアピール
導入部分で確実に視聴者の関心を引きましょう。ただし、導入部を長くしすぎてなかなかメインコンテンツが始まらない状況は避けましょう。 - 動画再生はスムーズに
読み込み速度が遅いと受信者にストレスを与えてしまうため、動画はスムーズに再生できるよう圧縮しておきます。 - キャプションや字幕をつける
音声をオフにして動画を視聴する人も多いため、キャプションや字幕を追加しましょう。 - ブランディング
色やフォント、全体的なスタイルなどに統一感を持たせ、ブランドアイデンティティを強調します。 - インタラクティブ性を持たせる
動画内にクリック可能なホットスポットを配置するなど、インタラクティブな要素を取り入れ、視聴者の関心を高めましょう。
動画を使ったメールマーケティングのトレンド
動画メールマーケティングは急速に進化しており、様々な使用例が見られるようになりました。これからどんな手法がトレンドになるのでしょう。今後注目される可能性のある活用例を紹介します。
- AIが生成した動画
AIを使用して、宛先ごとにパーソナライズされた動画コンテンツを生成するものです。受信者ごとの興味に合わせた製品デモ動画を送ることができます。 - ショッパブル動画
動画内の商品をクリックするだけで直接購入ページへ遷移できるものです。メールは単なるコミュニケーションツールから、強力なコンバージョンツールへと変貌する可能性があります。 - 生配信動画
まだ一般的ではないものの、リアルタイム配信される動画をメールに直接埋め込むことを試みている革新的な企業もあります。期間限定のプロモーションやリアルタイムでの商品発表において画期的な出来事となるでしょう。 - 360度カメラやVRに対応した動画
仮想現実が主流になるにつれ、360度カメラやVR対応のコンテンツをメールに取り入れる企業が出てきました。競合他社との差別化を図り、受信トレイで没入感あふれる体験を提供できます。 - ショート動画やGIF
短時間でインパクトのある6秒の動画や高画質なGIFなら、受信者の時間を節約できます。 - ユーザ生成コンテンツ
信頼性は重要です。実際のユーザの声ほど信頼性が高いものはありません。そのため、ユーザが発信する動画を活用するブランドが増えていくと考えられます。
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