メール配信のプロに聞く、統計データの見方や日々の取り組み
- 2015年11月10日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は A Q&A With SendGrid’s Delivery Experts の抄訳です。
メール配信業務をしていると、常に新しい気づきがあって新鮮ですよね。しかし時には、プロトコル、統計学、新しい法律や規制など、少し難しい話が出てくることもあります。
先日、メール配信に関する大量の統計情報が公開されているのを見かけましたが、その意味や重要性に関する説明はありませんでした。そこで今回は、統計データの持つ意味やメール業界の最新情報について、SendGridのDeliveryコンサルタント、Luke Martinez氏にFAQ形式で聞いてみました。
Q: メール配信に関する統計データを見るときは、どの指標に注目すれば良いでしょうか?
A: メールの到達は白か黒か、つまり、メッセージが受信ボックスに届くか否か、と考えている人は多いのではないでしょうか?
しかし一口に「メールの到達」といっても、その定義は人によって様々です。
送ろうとしたメールのうち、単に「バウンスしなかった」ものの割合を到達率と考える人もいれば、「宛先の受信ボックスに入ったか」を重視する人もいますし、「エンゲージメント(開封やクリックなど)があるか」で考える人もいるでしょう。メール配信システムの健全性を示す “唯一の指標” というものはないのです。
このため、SendGridではメールの総到達数について大々的に発表するようなことはしていません。我々はメールマーケティングを始めたばかりの小企業から既に長年実施している大企業までサポートしていますが、メールの到達率や配信ニーズは、送信者がメールマーケターとしてどの段階にいるかによって大きく変わります。
SendGridが他のサービスよりも優れているのは「よく聞く」という点です。お客様がメールを使って何を成し遂げようとしているのかに耳を傾け、最高のROIを得るための戦略やその実施をサポートします。
Q: 到達率は重要ではないということですか?
A: いいえ。到達率はもちろん重要な指標です。
しかし、例えば確認メールのようなものを送信している場合は、特に「バウンス率」に気をつける必要があります。同様に、高度にターゲティングされたパーソナライズドメールであれば「開封率」に、リエンゲージメントキャンペーンであれば「エンゲージメント率」に注意を払うべきです。
つまり、単にどれぐらいのメールが受信ボックスに届いたかを数えることよりも、メールの配信が “成功” したかどうかを評価することが重要なのです。
Q: SendGridの利用者は様々ですが、各クライアントが思い描くそれぞれの目標にどうやって対応しているのですか?
A: メールの配信において、全ての要件にフィットする汎用的な対処法というものはありません。我々が重視しているのは持続性、つまり、将来的に高いパフォーマンスを出せるかということです。重要なのは、的確な質問で各送信者が抱える優先事項や目標を聞き出し、ビジネスモデルやオーディエンスに見合った適切な提案をすることです。早い段階で目標を把握できれば、それだけうまく対処できる可能性が高まります。
また、これを実現するには、我々が持つ専門知識を世界レベルの教育やサポートとして提供する必要があると考えています。「適切なメッセージを、適切な人に、適切なタイミングと頻度で届ける」というSendGridのモットーは、お客様の役に立つためにあります。
Q: SendGridは世界中の様々なユーザに利用され、月間200億通を超えるメールを配信していますが、先ほどのモットーを実現するためにどのようなことをしていますか?
A: 25名を超えるサポートエンジニアが、電話/メール/チャットで24時間365日のサポートを提供しています(※日本のサポートについてはこちら)。
また、各種エキスパートが、コンテンツ、送信頻度、レピュテーションの監視と改善を支援し、送信量に関わらず、きめ細やかなサービスをお客様に提供しています。
さらに、立ち上げたばかりのスタートアップを、月に何億通というメールを配信するような大きなブランドへと成長させるためのサポートもしています。このように、成長途中の企業から確立されたブランド(Walmart、Uber、Spotify、Airbnbなど)まで多様なお客様にご利用いただくことで、メール業界の最前線やコミュニティで活躍し続けることができています。
Q: メール業界の最前線をキープするために、SendGridではどのような取り組みをしていますか?
A: SendGridはこれまで6年間正当なメールを配信し続け、ISPや各種コミュニティとの良好な関係を築いてきました。また、業界関係者と連携し、メール、マーケティング、セキュリティ等のカンファレンスやワークショップも開催/支援してきました。これは、業界知識を共有することで善良な送信者を育成し、迷惑メールを防止するためです。我々はメールサービス業界の将来に貢献するとともに、同業他社からも学んでいきたいと考えています。
特に最近の実績としては、Gmail関連でフィードバックループ対応とPostmaster Toolsのリリースがありました。これらのツールはクライアントのエンドに変更を加えることなく利用できるので、SendGridのテクニカルアカウントマネージャーやDeliveryチームも「配信トラブルの一次切り分け」や「クライアントのメールプログラムの最適化」に活用しています。
また、SendGridは独自に開発したMTAを使用しているので、サービスを中断することなく簡単にカスタムヘッダを利用することができ、これらのヘッダはSendGridユーザの皆様にもご利用いただけます。
Gmailとの一件のように、こういったチャンスを追求することも含めて、SendGridでは最新のメールサービスをお客様に提供するよう努めています。
Q: もっと色々なことを教えてくれませんか?
A: お客様の煩わしさを軽減するために、SendGridは関係構築やナレッジベースの蓄積を続けています。そしてまた、皆様がレベルの高い送信者であり続けられるよう、ためになるコンテンツをドキュメント、ブログ、お役立ち情報等で提供しているので是非ご覧ください。
SendGridでは新入社員の教育にも力を注いでおり、すべてのスタッフがメール配信問題や最新情報にスムーズに対応できるよう努めています。
メール配信に関する基礎知識や役立つTipsなど、以下の記事も是非参考にしてみてください。