まず最初にすることシリーズ:メール送信までにするべきこと
- 2023年8月10日
- by SendGrid
- Category: 機能・使い方
Twilio SendGridでメールを配信できるようになったからといって、いきなり大量のメールを送信しようとしていませんか?事前準備なく大量のメールを送信すると、相手にメールが届かない、メールの配信ログが残っておらず、後から到達状況や開封状況などを確認できない、といった事態に陥ってしまいます。
そこで今回は、メールを実際に送信する前にしておくべきことをご紹介します。
メールの到達率を高めるために
独自ドメイン利用設定
独自ドメイン利用設定とは、SendGridが送信者の許可を得てメールを送信していることを証明するための設定です。裏を返すと独自ドメイン利用設定をしていない場合、なりすましメールとみなされてしまい、宛先から受信拒否されてしまう可能性があります。
SendGridではSender Authenticationという機能を使用します。以下の3つが利用可能ですので、実際にメールを送信する前に必ず設定しておくようにしましょう。
詳細や具体的な手順は、各リンク先のチュートリアルをご参照ください。
- SPF/DKIM設定
送信ドメイン認証(SPFとDKIM)を独自ドメインで行うための機能 - トラッキングドメイン設定
開封、クリックのトラッキング用URLに独自ドメインを利用するための機能 - IPアドレス逆引き設定
メール送信元IPアドレスの逆引き結果を独自ドメインに変更する機能
IPウォームアップ
メールを相手に届けるためには、レピュテーション(送信者の信頼度)を高くしておく必要があります。送信実績の少ないIPアドレスはレピュテーションが低い状態であり、このようなIPアドレスから大量のメールを送ると、インボックス・プロバイダに受信を拒否されてしまう可能性があります。
そのため、少ない通数から徐々に送信数を増やしてIPウォームアップを行い、レピュテーションを高めた状態で大量配信を行うようにしましょう。
なお、IPウォームアップができるのは、固定IPアドレスが利用できるプランです(Proプラン以上)。弊社では、他ユーザの影響を受けずにレピュテーションをコントロールできるProプランの利用をおすすめしています。
IPウォームアップについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
宛先リストのクリーニング
古い宛先リストをそのまま使用していると、今はもうメールの受信を望まない人のメールアドレスや使われていないメールアドレスなど「送信すべきではない宛先」が含まれる可能性が高くなります。このような宛先にメールを送り続けると、到達率だけではなくレピュテーションも低下するため、本来届くはずの宛先にもメールが届かなくなる場合があります。一旦レピュテーションが低下してしまうと、回復には時間と手間が必要になるため、長期的にメール配信に支障が出てしまいます。
また、使われなくなったアドレスはインボックス・プロバイダが迷惑メール送信者をあぶり出すための罠のアドレス、スパムトラップに再利用することがあります。このアドレスにメールを送ると、インボックス・プロバイダによって直接ブラックリストに登録されてしまう恐れがあります。
このような事態を防ぐため、オプトイン方式を導入し、配信停止希望のアドレスはもちろんのこと、反応のないアドレスは定期的に削除して、宛先リストをクリーンな状態に保つようにしましょう。
リストクリーニングの詳細や具体的な手順は下記をご参照ください。
到達状況や開封状況を長期的に残しておくために
Event Webhookの設定
SendGridの「Activity」機能では、送信したメールに関するイベント(メールの到達状況や開封状況など)を確認することができます。ただし、Activityで確認できるのは直近7日間分のイベントのみであり、表示できる件数にも限りがあります。
全てのイベントをリアルタイムで確認するためには、Event Webhook機能を利用します。
Event Webhookは、SendGridで送信したメールに関するイベントを、指定したURLにPOSTする機能です。POSTされたデータをDB等に保存することで、全てのメールに関するイベントを管理できるようになります。
イベントのログを手元に残しておくことで、到達状況の確認、メールを開封した宛先やクリックされたURLの分析などを、より長期間のデータを使って行うことが可能になります。実際にメールを送信する前に設定しておくようにしましょう。
Event Webhookの詳細や具体的な手順は下記をご参照ください。
まとめ
ご紹介した準備をしておくことで、メール不達のトラブルを防いだり、送信後のトレースがしやすくなったりします。
実際にメール送信を行う前に必ず行ってください。