IPウォームアップを行う

背景

メールの世界では、日々大量に送信されている迷惑メールに対して様々な対策がとられています。基本的に受信側では送信元に対して「レピュテーション」と呼ばれる格付けを行い、信頼度をベースにした識別を行っています。レピュテーションが低い場合、メールが一時的に受信拒否される(SendGridではDeferredとして扱われる)こともあります。

IPウォームアップとは

IPウォームアップとは、レピュテーションがない状態から高めることです。レピュテーションがない、もしくは低い状態で急激に送信通数を増加させると受信拒否される可能性があるため、徐々に増やしていく必要があります。IPウォームアップを行う際は、バウンスや迷惑メール報告などのネガティブな要因をできるだけ発生させないようにして、注意深く進める必要があります。

IPウォームアップが必要なケース

IPウォームアップは、以下両方のケースに該当する場合に必要になります。

  • Silver以上のプラン(固定IPアドレスが割り当てられる)を利用している
  • 送りたい通数に対し、十分なレピュテーションがない

一方、BronzeプランやFreeプランの場合、メールは共有IPアドレスから送信されるためIPウォームアップは必要ありません(ウォームアップできません)。また、徐々に送信通数が増える新規サービスなど、サービスの特性上自然なウォームアップ効果が期待できる場合は、特別なウォームアップが必要ないこともあります。

IPウォームアップの進め方

ここでは、他のメール配信サービスからSendGridに乗り換えた場合など、SendGridをこれから利用するケースのウォームアップ方法をご紹介します。既に、SendGridを利用して送信している場合は、状況によって対応方法が異なりますので、サポートにご相談ください。

ウォームアップ計画を立てる

まずはウォームアップ計画を立てましょう。ポイントは次の通りです。

  • 宛先リストをクリーニングして適切なメールを送る
    バウンスや迷惑メール報告はレピュテーションに悪影響を与えるため、できるだけ発生を抑える必要があります。送信実績のない宛先リストの場合、バウンスするアドレスが多く含まれている可能性があるので特に注意が必要です。また、受信者が希望していないメールを送ると迷惑メール報告を受ける可能性もあります。事前に宛先リストのクリーニングを行ったり、オプトインを取るなどして適切なメール(宛先、内容)を送信するようにしてください。
  • メールの送信元IPアドレスがウォームアップ対象となる
    メールはアカウントに割り当てられたIPアドレスから送信されます。

    • 初期状態でアカウントには1つのIPアドレスが割り当てられており、このIPアドレスがウォームアップ対象となります
    • 複数のIPアドレスを利用している場合、アカウントに割り当てられているIPアドレス群の中からランダムに送信元IPアドレスが選択されるので、これら全てのIPアドレスがウォームアップ対象となります(送信通数は分散されます)
  • 実際の宛先にメールを送る
    レピュテーションは宛先ドメインごとに管理されており、一般的には「送信元IPアドレス × 宛先ドメイン」の単位で受信制限が設けられます。また、同一のアドレスやエイリアスアドレスに対して繰り返しメールを送ってもウォームアップにはなりません。つまり、テスト用のアドレスでウォームアップしようとすると宛先ドメインごとに数百~数千単位でメールアドレスを用意し、エンゲージメントが高いことを示す(実際に開封やクリックを行う)必要があるということになります。 そのため、現実的には実際の運用時に送る宛先でウォームアップするのが最も確実な方法となります。
  • 徐々に通数を増やす
    いきなり大量のメールを送ってしまうと、バウンスや迷惑メール報告が発生した際に送信ペースを落とす、中止するなどの対処ができません。はじめはStatsなどで状況を見つつ徐々に送信量を増やすようにしてください。問題が発生した場合は送信ペースを落とす、ウォームアップを中止するなどの対策を取るようにしてください。

では、どのくらいのペースで送信量を増やしていけばよいのでしょうか?参考までにウォームアップスケジュールの例をご紹介します。ただし、このスケジュールは様々な要因に大きく影響を受けるため、この例の通り進めれば確実にウォームアップが完了するというものではありません。また、通数によってはIPアドレスの追加が必要になる場合があります。