トランザクションメールのパフォーマンスを測る統計データとは?

この記事は How to Measure Transactional Email Performance の抄訳です。

マーケティングメールを送信するとその効果が気になりますよね。メールをどれだけ読んでもらえたのか、リンクは何回クリックされたのか、今回のメールからいくらの売上につながったのか等々、色々な統計データを集めて投資対効果を測定することが多いと思います。
一方、トランザクションメールについてはどうでしょうか?送りっぱなしになっていませんか?

トランザクションメールのパフォーマンスを測定しているケースは、マーケティングメールと比較すると少ないでしょう。理由としては、トランザクションメールの自動配信を設定した後にその存在を忘れてしまいがちなことや、そもそも送ること自体が目的になってしまっていること等が考えられます。
しかし実際には、トランザクションメールのパフォーマンスも測定してモニタリングしなければ、受信者にとって役に立たないものになってしまいます。

この記事では、どんなデータを用いてトランザクションメールのパフォーマンスを測定すれば良いかをご紹介していきます。

なぜパフォーマンスを測定するのか?

測定するべきデータ項目を紹介する前に、トランザクションメールのパフォーマンス測定がなぜ必要なのか、もう少し考えてみましょう。

トランザクションメールは以下のような用途で利用されます。

  • 注文確認
  • 出荷通知
  • 本人確認
  • アカウントに関する通知
  • パスワードリセット

トランザクションメールにはユーザのアクションやアカウントに関する情報が含まれるため、確実に受信トレイに届き、受信者に情報を提供できなければいけません。もしも受信者がこれらのメールを受け取れなかったら、このネガティブな体験によって、あなたへの興味は薄れてしまうでしょう。

例えば、サービスのログインパスワードを忘れてパスワードリセットをしたのに、いつまで経ってもリセット手続きに必要なメールが届かなかったら困りますよね。後日、ユーザが迷惑メールフォルダの中からそのメールを見つけたとしても、その時はもう別のサービスに乗り換えてしまった後かもしれません。
適切なデータを測定してモニタリングしていないと、こういった事態が起きていることに気づくこともできません。

トランザクションメールのパフォーマンスを測定することは、いわば「メールの健康状態」のチェックです。測定したデータをモニタリングすることで、いち早く、対処すべき問題点を明らかにすることができます。

注目すべきデータ指標

それでは、トランザクションメールの健康状態を示すデータ指標を紹介していきます。

Processed

Processedはメールの送信数のことです。トランザクションメールの送信数を見れば、サービスやビジネスの活動規模を知ることができます。例えば注文確認メールの通数をモニタリングすれば、受けた注文件数を即座に把握できます。

Processedはあくまでも送信を試みたメールの通数です。そのうち受信サーバに正常に届いたメール通数を知るためには、次の指標と組み合わせる必要があります。

Delivered

送信を試みたメール全てが届くわけではなく、受信側が受け取るかどうかを判断します。Deliveredは、受信サーバに受け入れられたメールの通数です。

その後さらに、メールを受信トレイに振り分けるのか、迷惑メールフォルダに振り分けるのかを受信サーバが決定します。
トランザクションメールでは、送信メールが受信トレイに到達することが非常に重要です。メールの到達率を上げるためのベストプラクティスを紹介する記事も合わせてご覧ください。

BouncedとBlocked

受信サーバが受け入れを拒否したメールの通数は、BouncedとBlockedの数値に表れます。この2つの指標からは、正常に配信できなかったメールの通数とその理由が分かります。

Bouncedは、主に宛先メールアドレスが存在しない等、恒久的な原因でメールが配信できなかった通数を示し、ハードバウンスとも呼ばれます。ユーザがメールアドレスの入力を間違えていたり、既に利用されていないメールアドレスになっていたりすることで発生します。ハードバウンス率は0.5%以下に抑えるのが理想的です。

Blockedは、メール送信経路上の通信の不具合やメールの内容に問題がある等、一時的な原因でメールが配信できなかった通数を示します。ハードバウンスに対してソフトバウンスと呼ばれることもあります。

BouncedとBlockedが発生する原因について詳しく説明している以下の記事も、ぜひ参考にしてください。

Unique Opens

Unique Opensは、メールを開封した受信者数を表します。受信者の関心や興味を示すUnique Opensは、どんなメールでも測定とモニタリングが不可欠なデータです。

まず、ユーザとのコミュニケーションの観点で、Unique Opensはメールの件名の影響やユーザが望むメールを送信できているかどうかを把握するきっかけになります。また、技術的な観点でもメール配信上の問題を検出するのに役立ちます。
例えば、送信するメールに何の変更も加えていないにもかかわらずUnique Opensが急激に減少した場合、多くのメールが受信トレイではなく迷惑メールフォルダに振り分けられるようになった可能性があります。そんな時は、迷惑メール報告が増えていないか、送信レピュテーションが低下していないか等、他のデータも調べて原因を突き止めていきましょう。

Appleをはじめとした一部のプロバイダでは、受信者自身がメールを開封しなくても、受信サーバが自動的にメールを開封することがあります。これは受信者のプライバシー保護を目的とした仕組みですが、メールパフォーマンスを測定する際には、開封したのが受信者自身なのかどうかに注意する必要があります。以下の記事でさらに詳しく解説していますので、Unique Opensを測定する前にぜひご覧ください。

CTR(クリックスルー率)

メールには受信者がアクションを起こすためのボタンやリンクを含めることが多いですが、トランザクションメールの場合、これらのクリック数を闇雲に集計しても無駄足に終わってしまうこともあります。例えば、ECサイトからの出荷通知メールには、荷物の配送を追跡するためのリンクが含まれているのをよく見ますね。しかし、ECサイトのビジネスのためには、購入者が追跡リンクを何回クリックしたかは重要ではありません。

その一方で、購入後の商品レビューを依頼するメールのように、顧客エンゲージメントを把握するためにCTR(クリックスルー率)を集計するべきトランザクションメールもあります。CTRとは、正常に配信されたメールのうち、リンクがクリックされたメールの割合のことです。このデータ指標は、メールコンテンツが効果的に受信者の行動を促しているかどうかを理解するのに役立ちます。

メールのCTRを測定して改善させるための具体的なヒントを以下の記事で紹介しています。

Twilio SendGridのDeliverability Insightsを活用しよう

効果的なトランザクションメールの運用を行うために、どんな統計データに注目すべきかを紹介してきました。次のステップは、それぞれのデータをどうやって測定し可視化するかです。

しっかりとしたメール送信サービスであれば、直感的なダッシュボードが用意されていて、いくつかのデータ指標をすぐに確認できるでしょう。もちろんTwilio SendGridも例外ではありません。

SendGridは、統計データをモニタリングするのに最適なDeliverability Insightsという機能をご用意しています。紹介したデータ指標を視覚的に確認できるのはもちろんのこと、プロバイダごとの配信状況を簡単に比較できるので、到達率に課題がある宛先をすぐに特定して改善のためのアクションにつなげることができます。

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SendGridが備える強力なメール送信インフラが、安定したトランザクションメール送信を実現させる点もお忘れなく。

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