これだけは避けたい!メールマーケティングのよくある失敗35選

この記事は 41+ Common Email Marketing Mistakes to Avoid in 2024 の抄訳です。

顧客との関係強化にはメールマーケティングをうまく活用する必要があります。
注文確認メールからニュースレターに至るまで、マーケターの87%がメールを使って顧客エンゲージメントを向上させています。1ドルの投資に対し、平均54ドルものリターンが得られることを考えれば、メールが顧客との主要なコミュニケーションチャネルであり続けているのも当然だと言えるでしょう。

顧客の受信トレイには様々な企業からのメッセージが届くため、その中で目立ち、商品やサービスへの興味を持ち続けてもらわねばならず、また、築き上げたブランドの評判を維持しながら、顧客に喜ばれる方法でアプローチし続ける必要があります。そのためには、メールマーケティングのよくある失敗を知っておくことが重要です。
この記事では失敗例をいくつかご紹介します。

なぜメールマーケティングの失敗はよく起こるのか

メールは作成や送信が簡単にできる一方で、失敗するのも同じくらい簡単です。企業が質より量を優先した結果、顧客の心を掴みたいと思いながらも苛立たせるメールを送ってしまうケースが多いでしょう。小さな失敗であっても、積み重なればエンゲージメントの低下やマーケティング施策の停滞につながります。

メールのエンゲージメントを測定することで、ミスを犯していないか判断し、必要に応じて解決策を考えましょう。

メールマーケティングのよくある失敗

送ったメールが期待通りの注目や反応を得られない時は、以下に挙げるようなミスがエンゲージメントを低下させる要因になっていないか考えてみてください。

1. レピュテーションを気にしない

送信者のレピュテーションが低いと、送ったメールが迷惑メールフォルダに入る可能性が高まります。レピュテーションは、バウンス率が高い場合や、受信者の反応(開封やクリック)が少ない場合に悪化します。レピュテーションをチェックして、改善するためのツールを活用しましょう。

2. 規制を見落とす

メールに関する法律を遵守しないことは、重大なミスの1つです。たとえば、CAN-SPAM法では、購読解除など定められたオプションを提供しない企業に対して罰則を設け、メールの送信者を明らかにするように求めるなど、様々な要件を定めています(※日本では特電法や特商法といった法律で迷惑メールが規制されています)。
多額の罰金を科されないよう、規制に準拠しているか確認しましょう。規制で求められていることはメールマーケティングのベストプラクティスであり、遵守することでエンゲージメントの向上にもつながります。

3. 「no-reply」のアドレスを使用する

no-replyメール(返信不可メール)を使うことは、お問い合わせフォームなど、メール以外の連絡手段に顧客を誘導するためのごく自然な方法に思えるかもしれません。
しかし、no-replyメールは到達率に悪影響を及ぼすだけでなく、顧客からのフィードバックに関心を持っていないブランドだという印象を与えてしまいます。

4. レスポンシブデザインを採用しない

顧客がPC以外のデバイスでメールを読むことは、ますます一般的になっています。メールがスマートフォンやタブレットでも適切に表示されるレスポンシブデザインであることを確認しましょう。

メッセージを作成する際には、メールのアクセシビリティにも配慮する必要があります。たとえば、顧客はスクリーンリーダーを使用しているかもしれません。メールが音声で読み上げられたときにわかりやすい内容になっていますか?代替テキストなどの重要な要素が不足して操作しにくいメールになっていませんか?

さらに、フォントサイズを大きくする、リンク同士を離して配置する、HTMLメールを様々なデバイスに適応させるメディアクエリを含めるといったシンプルな調整も、よりユーザフレンドリーなメールのために有効です。

5. ウェルカムメールを送らない

ウェルカムメールは顧客の期待を高めるために重要な役割を果たします。ウェルカムメールを送ることで、顧客を気にかけていることが伝わり「自分は単なる数字にすぎない」と感じさせずに済みますし、顧客にメールの購読理由を思い出してもらうことができます。

6. 宛先リストをセグメンテーションしない

宛先リストのセグメンテーションは、メールをパーソナライズするために欠かせません。送ったメールすべてが全顧客に関連するとは限らないため、宛先リストをセグメンテーションして、メッセージに関心を持ちそうな顧客のみにメールを届けましょう。

セグメンテーションの切り口としては、デモグラフィックデータ、購入履歴、あるいは興味関心などが挙げられます。いずれを選択した場合でも、顧客の興味に合わせたメール配信が可能となり、購読解除を防ぐのに役立ちます。

7. パーソナライズではなく一般化してしまう

自分が膨大な宛先リストの中の一つに過ぎないと感じて嬉しい人はいません。メッセージが宛先全体に向けた一般的な内容にならないようにしましょう。

パーソナライズされたメールを送ると、顧客はブランドが自分を気にかけており、有意義な買い物をサポートしようとしてくれていると感じるため、メールに関心を持つ可能性が高まります。また、「大事な顧客として認識されている」と感じるとブランドに対する印象が良くなります。

8. メールを校正しない

校正はメールマーケティングの失敗を避けるための簡単な方法です。スペルミスや文法ミス、事実誤認があるメールを送ると、受信トレイのプロバイダに迷惑メールとしてマークされる可能性があります。また、すべてのリンクが正常に動作し、意図したページに正しくアクセスできることも確認しましょう。

これらの失敗は送信前に数分かけてメールを校正することで回避できます。同僚にメールを見てもらい、ミスが残っていないかチェックしてもらうとより良いでしょう。メール作成のプロセスにひと手間加えることで、慎重さや細部への配慮に対する顧客からの期待に応えることができます。

9. 平凡な件名を使用する

心をつかむ件名でないと顧客の目を引くのは難しいでしょう。最適な件名にするには、簡潔で、内容を的確に説明していて、緊急性を感じさせる必要があります。短くまとめるのは難しく思えるかもしれませんが、ユニークで注目を集める件名を時間をかけて作成する価値は十分にあります。

10. A/Bテストを行わない

A/Bテストは、失敗を避けるために欠かせないプロセスです。まず、「送信元アドレス」「件名」「コンテンツ」「デザイン」など、メールの様々な要素について複数の選択肢を考えます。次に、それらのバリエーションを宛先リストの一部にそれぞれ送信して反応を計測し、どの選択肢が最も効果的にエンゲージメントを高めるかを評価しましょう。

11. 適切でない時間に送信する

マーケターは様々な時間帯にメールを送信しますが、顧客にメールを開封してもらうには特定の時間帯が効果的であることが調査によってわかっています。また、深夜など適切でない時間にメールを送信すると、メールが見落とされてしまうことがあります。

幅広い地域の顧客にメールを送る場合は注意が必要です。たとえば、すべての宛先に同時に送信すると、ニューヨークでは適切な時間に届くメールもカリフォルニアでは適切でない時間に届くことがあります。顧客をタイムゾーンごとにセグメンテーションすることで、送信時間を最適化しましょう。

12. 配信頻度を考慮しない

メールの送りすぎは最もわかりやすいメールマーケティングの失敗ですが、多くのマーケターが陥りがちです。プロモーションやニュースレターなど様々なメールを毎日送りたい気持ちはわかりますが、メール疲れは実際に起こっています。メールを送りすぎると、顧客はすべてのメールを配信停止してしまうかもしれません。
一方で、頻度が低すぎてもエンゲージメントが低下する可能性があります。データを活用して、最適な配信頻度を見極め、一貫性を持ったスケジュールを維持しましょう。

顧客が受け取るメールの頻度や種類を調整できるように、Preference Centerを使いやすくすることも重要です。そして、購読解除の手段も整えておく必要があります。

13. 再エンゲージメントキャンペーンを行わない

アクティブでない顧客には再エンゲージメントキャンペーンを実施しましょう。宛先リストには、数カ月間メールを開封していない人々が含まれているかもしれません。定期的にリストを整理し、再エンゲージメントキャンペーンを打つことで、メールマーケティング全体のエンゲージメント率を向上させることができます。特別なオファーやアンケートを含む再エンゲージメントキャンペーンは、顧客がまだ興味を持っているかどうかを判断するのに役立ちます。

14. 文字が多すぎる

長くて情報量が多いメールは、受信者を威圧してしまい、エンゲージメントが下がる原因になります。多くの人はメールを流し読みするため、簡潔で要点を押さえた内容にすることが重要です。箇条書き、短い段落、わかりやすい見出しを使用することで、メールをより読みやすくする工夫をしましょう。

15. 画像やファイルが多すぎる/大きすぎる

画像などのビジュアルによってメールは魅力的になりますが、画像を使いすぎたりファイルの容量が大きすぎたりすると読み込み速度が遅くなり、ユーザ体験に悪影響を与えます。画像が素早く読み込めるよう最適化されているかを確認し、テキストとのバランスを取りましょう。

16. 送信前にテストをしない

メールを十分にテストせずに送信すると、リンク切れやフォーマットの問題など、ユーザ体験を損なうトラブルが発生する可能性があります。必ず様々なデバイスやメールクライアントでテストし、意図した通りに表示され、挙動に問題がないことを確認しましょう。

17. 明確なCTAがない

説得力のあるCTA(Call To Action、行動喚起)は、受信者に次に何をすべきかを明示します。明確なCTAがなければ、メールの目的が伝わらず、コンバージョンを促進することができません。受信者に期待通りのアクションをとってもらえるような、目立っていて分かりやすく、魅力的なCTAを1つ設けましょう。
1通のメールに複数のCTAを含めると、受信者が混乱し、メッセージの焦点がぼやけてしまいます。

18. 戦略を立てるための分析をしない

配信結果を分析しないと、何が効果的かといった貴重なインサイトを見逃してしまいます。開封率やクリック率、その他の重要な指標を計測し、データを活用してメールマーケティング戦略を継続的に改善しましょう。

19. 誇張しすぎた件名を使用する

過度に誇張した件名は一時的に開封率を上げるかもしれませんが、メールの内容が件名に沿っていない場合は、信頼性を損ない、配信停止率が高くなる可能性があります。メッセージを正確に反映した件名を付けるよう心がけましょう。

20. 宛先リストの整理を怠る

定期的に宛先リストを整理しないと、バウンス率の上昇やエンゲージメントの低下につながる可能性があります。非アクティブな購読者や無効なメールアドレスを削除して、リストを健全に保ち、到達率を向上させましょう。

21. SNSシェアボタンを設置しない

SNSシェアボタンを設置すれば顧客はメールの内容を自身のコミュニティで共有できるので、メールの影響力を高めるのに役立ちます。顧客が簡単に情報を広められるようにしましょう。

22. 顧客からのフィードバックを無視する

顧客からのフィードバックは、メールに何が求められているのかを知るための貴重な情報を提供してくれます。フィードバックを無視すると、メールキャンペーンを改善し、エンゲージメントを向上させるチャンスを逃してしまいます。

23. 特別感がない

人々は特別感や限られた人だけが入れるグループの一員であることを好みます。メールにおいても限定コンテンツ、特別な割引、または先行アクセスを提供し、顧客がブランドから大切に扱われていると感じられるようにしましょう。

24. メールの自動化を活用しない

一連のメールを自動化すれば、リードを育成し、顧客のエンゲージメントを保つためのメール配信を絶えず手作業で行う必要はなくなります。メールを自動化して、顧客とのタッチポイントを逃さないようにしましょう。

25. デザインを軽視する

洗練されたデザインのメールは、受信者に大きな影響を与えます。レイアウト、配色、画像といった要素にも気を配り、洗練されたメールを送りましょう。

26. 他のチャネルと組み合わせない

メールマーケティングは、ソーシャルメディア、コンテンツマーケティング、ペイドメディアなどの他のチャネルを含む統合的な戦略の一部であるべきです。メールマーケティングをこれらのチャネルと組み合わせて活用しないと、エンゲージメント向上やコンバージョンの機会を逃してしまう可能性があります。

27. 顧客への感謝を忘れる

感謝の気持ちは、顧客と強固な関係を築く上で非常に重要です。顧客による支援や商品の購入に対する感謝を忘れると、メールが事務的なものに感じられてしまいます。感謝の気持ちを取り入れて、顧客のロイヤルティを育みましょう。

28. 明確な配信停止オプションを設けない

配信停止が分かりにくいと、受信者のフラストレーションや苦情につながる可能性があります。すべてのメールにわかりやすい配信停止オプションを必ず含めることで、信頼を維持し、規制にも準拠しましょう。

29. プリヘッダを活用しない

プリヘッダ(プレビューテキスト)は、メールの内容を補足し、開封を促すのに大きな役割を担っています。プリヘッダを活用しないと、メールを読んでもらう機会を逃してしまうかもしれません。

30. プロモーション要素が強すぎる

プロモーションはメールマーケティングの重要な要素ですが、過度にプロモーション要素が強いメールを送ると、顧客が離れていってしまう可能性があります。顧客にとって価値があるコンテンツと、プロモーションコンテンツとのバランスを取ることで、関心を持ち続けてもらえるようにしましょう。

31. 名前の差し込み以上のパーソナライズをしない

パーソナライズは、単に顧客の名前をメールに使用するだけでは不十分です。過去の行動、好み、興味に基づいてメールをパーソナライズしないと、ありがちで効果が薄いコミュニケーションになりかねません。データを活用して、顧客ごとに関連性の高いコンテンツを作成しましょう。

32. ダークモードへの最適化を行わない

多くのユーザが、デバイスのダークモードを好むようになっています。メールがダークモードに最適化されていないと、可読性の問題やユーザ体験の低下を引き起こす可能性があります。ライトモードとダークモードの両方で表示の確認が必要です。

33. 送信者名を安易に決める

送信者名は、受信者が最初に目にする要素の1つです。無機質で分かりにくい送信者名を使用すると、開封率が低下する可能性があります。認識しやすく信頼できる送信者名を使用し、メールの開封を促しましょう。

34. 動的コンテンツを活用しない

動的コンテンツを使用することで、メールの一部をセグメントごとにカスタマイズすることができます。動的コンテンツを取り入れてメールをよりパーソナライズし、魅力的なものにしましょう。

35. ストーリーテリングの効果を軽視する

魅力的なストーリーが語られているメールは、受信者の関心を引きつけ、記憶に残る体験を作り出すことができます。メールの内容に物語性を持たせて、より魅力的でインパクトのあるものにしましょう。

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