SendGrid Night #11 開催レポート

SendGrid Night #11 開催レポート

2025年9月10日にSendGrid Night #11を開催いたしました!
Twilio社のSendGridチームからも2名が来日し、今後リリース予定の新機能について話を聞くことができました。お客様とTwilio SendGridチームが一堂に会する和やかな雰囲気の中、情報交換と交流の時間を楽しみました。

本記事ではそんなイベントの様子と発表概要をご紹介します。

オープニングトーク:Welcome & Industry Updates

まずはTwilio社のJonathanからの挨拶と乾杯!
お酒を飲みながらリラックスした空気の中、会が始まりました。

Twilio社のJonathanからの挨拶と乾杯

オープニングトークでは弊社SendGridエバンジェリスト中井から、送信者向けガイドライン改定や生成AIなどのメール業界の動向、SendGridの直近の配信実績などについてお話ししました。

送信者向けガイドライン改定

2024年2月頃から、Gmailなど主要メールボックスプロバイダによる送信者向けガイドラインの改定が相次ぎました。各プロバイダは、「受信者にとって快適な受信トレイ」を目指し、そのための仕組みを整えています。たとえ正当なメールであっても、開封されないメールや不要と判断されたメールは厳しくブロックされるようになってきています。

  • 受信者が必要としているメールを送ること
  • 不要なメールは受け取らない選択を受信者自身ができるようにすること

など、送信者として適切なふるまいをしましょう。

ガイドラインの詳細を知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

ガイドラインの意義

生成AI

生成AIの動向にも注目です。最近ではメールの内容を自動で要約して表示する機能が登場しており、メッセージが送信者の意図と異なる形で受信者に伝わってしまうリスクがあります。また、AI要約から概要を把握し実際のメールを開かないという事象が発生することで、開封率やクリック率といった従来の指標が実態とずれてしまう恐れがある点にも注意が必要です。

弊社でも生成AIに関する検証記事を公開しておりますので、気になる方は「メールボックスのAI技術シリーズ」をご覧ください。

SendGridの配信実績

2013年に月100億通の送信を突破したSendGridですが、いまや1日で120億通(2024年末時点)もの送信を担う大規模プラットフォームになりました。
それでもなお高い到達率を誇り、アジア圏の宛先サーバに送られたメールは90%以上の到達率を維持しています。

アジア圏の宛先サーバに送られたメールの到達率

SendGridから日本の宛先ドメイン(GoogleやOutlookは除く)に送られたメールの割合は下図のとおりでした。それぞれの宛先に確実に届けられるよう、上述のガイドラインへの対応や、キャリアメール対策を行いましょう。

日本の宛先ドメイン(GoogleやOutlookは除く)に送られたメールの割合

SendGridの新機能と大量配信のベストプラクティス / Jonathan knutson

次に、Twilio社Jonathanから、まもなくリリース予定の新機能と大量配信のベストプラクティスを紹介しました。SendGridのテクニカルアカウントマネージャーとしてサポート業務に従事してきた立場から、どのように安定した配信を実現していくか、実践的な知見を共有してもらいました。

Jonathan knutson

新機能①「Email Logs」

「Email Logs」は、Event Webhookと同等のイベント情報をダッシュボードから直接確認できる機能です。Event Webhookでは事前に環境構築や実装をする必要がありましたが、今後はダッシュボードで手軽に利用できるようになります。

類似機能であるActivityでは、データの検索方法が複雑だったり結果取得に時間がかかったりすることがありますが、Email Logsではより簡単かつ迅速に詳細情報を確認でき、フィルタリングやエクスポートも可能です。Activityに比べ、より詳細な情報(ProcessedからDeliveredまでの所要時間など)も確認できるようになるため、配信遅延や所要時間の把握に役立ちます。
本機能は年内のリリースを予定しています。

Email Logs

※画面はイメージであり、実際の仕様とは異なる場合があります

新機能②「Email Insights」

もう一つの新機能「Email Insight」は、アカウントから送信したメールのデータを集計し、好みの形式でレポートを作成する機能です。
既存機能のStatsではレポートのフォーマットが固定されていますが、本機能では測定したい指標をカスタムレポートとして作成・追跡することができます。作成したレポートをエクスポートすれば、BIツールなど他サービスで活用することも可能です。

本機能のイチオシはAIが搭載されている点です。操作に不慣れな方でも、自然言語で指示することで簡単にレポートを作成できます。
こちらは2026年春のリリースを予定しています。

Email Insight

※画面はイメージであり、実際の仕様とは異なる場合があります

その他、最近リリースされた、1つのメールアドレスで複数アカウントにログインできる機能についても紹介がありました。

大量送信のベストプラクティス

次に、大量送信時のベストプラクティスとして、6つのステップで送信環境を細分化しておくべきであるという話をしてもらいました。これらを徹底することで、トラブル発生時の影響を最小限に抑え、スムーズに対応できるようになります。

  1. サブユーザによる環境分離:トランザクションメール(通知メールなど)、マーケティングメールといったメールの種類や、送信ドメインごとにサブユーザを分けましょう。
  2. APIキーの適切な権限設定:APIキーのアクセス権限を最小限に設定します。Fullスコープの使用は避けましょう。
  3. IPプールによるトラフィック分離:一つのアカウントで複数種類のメールを送る場合は、レピュテーションが相互に影響しないようトラフィックを分離しましょう。メールの種類ごとやSEQ(SendGrid Engagement Quality)の高さによってIPプールを分けることが推奨されます。
  4. 将来を見越した設計:事業拡大や変更時にも柔軟に対応できるよう、アカウント構成やシステム構造を設計しましょう。
  5. ドキュメント化:設定内容や運用ルールをドキュメント化し、説明を明確に残しましょう。
  6. インシデント対応の計画:事前にインシデントプランを作成し、どのようなトラブルが発生したらどのような手順で何をするのかという具体的なアクションを決定し、ダウンタイムを最小限に抑えましょう。

以上が当日の発表内容です。
とても有用なお話を聞くことができました。新機能を使えるようになるのが待ち遠しいですね!

懇親会

最後は、お寿司などを囲んで懇親会を行いました。グラスを片手に笑顔で語り合い、SendGridチームもお客様も打ち解けた様子でした。

懇親会
懇親会

さいごに

懇親会では皆さん思い思いにお話しされていて、SendGridの使い方やバウンスへの対処方法、メールマーケティングのコツなど様々な話題が飛び交う楽しい会でした。
皆様のリアルな声と体験をもとに、今後もさらに価値あるユーザ会にしていければと思います。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

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